いい父親ぶるのはやめて
2021/12/19
いい父親ぶらないで
気まぐれな親
高校生の冬だった。最寄りの駅までは歩いて30分超、毎日登校するだけでクタクタだった。
雪の降ったある朝のこと。珍しく早起きした父が「車で送ってやろうか?」といってきた。私はとっさに「別にいい」と断った。とっても驚いた。勿論、車で行けたらどんなにいいか。でも、なんだか嫌だった。腹もたった。これまでだって大雪の日もあった、でもそんなこと言われたことがない。そもそも両親は送り迎えをする人達ではなかった。
寒い季節は私が毎朝ストーブに火をつけて、暖かくなった頃に親は起きてくるのでした。
長い学生生活で父親の「送ってやろうか」は、この1回しか覚えていない。
ただの気まぐれ。
この1回を送ってもらったら、この父親は未来永劫ちゃんとしてやった。「自分は送ってやった。」と言い張るだろう。それがたった1回だったとしても。
この父親に得意気な思いをさせたくはなかった。
私は親に借りを作りたくはなかった。(育ててもらってはいるが)
というのも、年に1回程度どうしても遅刻しそうになり、母親に頼み込んで送ってもらうことがありました。その道中の約20分間はずっと母親の説教「人に迷惑をかけるな。」と。
それは、つまり自分に迷惑をかけるな。ということだと私は解釈しました。そうなんだ、私を学校に送ることは母親にとってはすごく迷惑なことなのだ。と。
私の子育てで一番苦しかったことは子供を送迎することでした。洗濯でも食事作りでもなく、送迎なのです。他のお母さん達にきくと「全然そんなことない」といいます。でも私にとっては本当に苦しい作業でした。
自分が子供時代にされていなかったからだ!ということに気付いてからは「よく頑張っている」と思うようにしました。今は頼まれることも少なくなりましたが、ハードルは下がったように思います。
初積雪で久しぶりにそんなことを思い出しました。
自分がどうしてもできないことは、そんなことに原因があったりします。ハードルを低くすると楽になります。よかったらお話しにおいでになりませんか?